はじめに 夫との日々感じる“ズレ“
結婚してから、夫との会話や日常の中で「ん?なんでそうなるの?」と言う違和感を覚えることが何度も何度もありました。
友人や他の家族に対して、そんな風に思ったことは一度もありません。
私が何気なく言ったことに対して、思いもよらない返事が返ってきたり、空気を読めずに場違いな発言をしたり‥「ちょっと変わった人」と思っていました。
こちらの気持ちや意見も伝えたいだけなのに‥すぐに「意味が分からない!」や「何が言いたいの?」怒り出してしまうこともよくあります。
このようになったら、何を言っても話は通じません。夫は自分の理解力がないと言う認識はありません。自分は正常で、私がおかしいと言う前提で言われます。
その結果、いつも私は言いたいことをグッと飲み込んで、話を終わらせる以外の方法はありません。
だんだん、とその“ズレ“は変わった人と言うだけではないと思うようになりました。こちらが気を使って言葉を選んでも全く通じない。本気で訴えかけても、冗談だと思われたり、冷たい態度で突き放されたり‥
心がどんどんすり減っていきました。
そんな日々の中、私は「もしかしたら、この人は私と違う世界が見えているのかもしれない」っと感じるようになりました。そして出会ったのが「アスペルガー症候群(自閉症スペクラム)」と言う言葉でした
アスペルガー症候群(自閉症スペクラム)とは?
ざっくり言うと「説明書が違う人」
「アスペルガー症候群」と言う言葉を聞いたことがあっても、実際にどんな特徴があるのか知らない方も多いと思います。
医学的には、自閉症スペクラム症(ASD)のひとつで、知的な遅れがなくても「空気が読むのが苦手」、「暗黙のルールがわかりにくい」、「相手の気持ちを想像しづらい」などの特性を持っている人を指します。
私が勝手に例えるなら‥「私と夫では、最初から持っている“人付き合いの説明書“が違う」って感じです。
私は「周囲に気を配って、察して動く」という日本の“おもんぱり型“説明書を持っていきているのですが、夫のはいうと‥
「言われたことだけやる。言ってないことは考慮しない。なぜなら書いてないから」
みたいな、超ストレート仕様。おそらく、海外マニュアルみたいにシンプルで頑丈です。(そしてページ数が少ない)
ちなみに、うち夫の特徴は‥
- 人の気持ちが分からない
- 想像力がなく、相手の立場になって考えれない
- 会話をした中で、共感されたことがない
- コミュニケーション能力が低い
- 複数人の中での会話に入れない
- 出掛ける時の段取りが出来ない
- こだわりが強い
- 急な予定変更はパニックになる
- 自分のルーティンがある
- 自分の興味があることは以外は無関心であり、話をした内容も覚えれない
以上のような特徴があります。
話が通じない夫エピソード
──私が風邪で寝込んだ日の話
ある日、私が38度の熱で寝込んでいたときのこと。
フラフラになりながら「夕飯、簡単でいいから何かお願いできる?」と夫に頼みました。彼は「わかった」と即答。私は「お、今日はスムーズに伝わったぞ」と安心して寝ました。
1時間後、リビングからいい匂いが。起き上がって見に行くと、なんとそこには夫だけが食べているカップラーメン。
「え?私のは?」と聞くと、彼はこう言いました。
「え、だって“何かお願いできる?”って言ったよね?自分で何かするのかと思った」
いや、それお願いじゃなくて自力じゃん!!
こういう会話、ほんとに日常茶飯事です。私の“あたりまえ”が、夫には“初めて見る未知の概念”みたいな反応をされる。まるで日本語に似た別の言語をしゃべっているような気持ちになります。
──「何もしてないよね?」と言ったら、まさかの雷が落ちた日の話
その日は、ほんの何気ない会話でした。
夕飯の片づけをしているとき、子どもがリビングでこぼした麦茶のあとをタオルで拭きながら、私はふとため息混じりにこうつぶやきました。
「なんか…私ばっかり家のことやってる気がするなあ」
「あれ?でも…あなた、何もしてなくない?」
このときの私は、責めてるつもりなんて1ミリもなかったです。
ただ、「もうちょっと分かってほしいな」くらいの気持ちで口にしただけ。
それなのに、夫の反応は想像以上に突然でした。
「は?何もやってないって何だよ!!」
「俺、仕事してるし!風呂掃除もしてるし!ゴミ出しだってしてる!!」
「それで“何もやってない”はないだろ!」
夫が挙げた“俺のやってることリスト”は、以下の3つ:
• 仕事してる
• 風呂掃除してる
• ゴミ出ししてる
……うん、それは確かに事実。でも、それ以外の家事・育児タスクは?
• 洗濯(干す・たたむ・しまう)
• 料理(献立・買い物・作る・片づけ)
• 子どもの送り迎え・宿題チェック・通園グッズの準備
• 掃除・整理整頓・布団干し
• ゴミ分別・消耗品管理・郵便物の確認
• 学校や園からの連絡帳チェック・学校の役員…などなど
Excelでタスク表を作ったら、きっと私の列はズラーッとびっしり文字が並び、夫の列はスカスカで3項目。
それでも、夫の中では“やってる実感”がしっかりあるのです。これぞ認識の大差。
「何もしてない」は、禁句だった
夫にとって、「何もしてない」という言葉は、自分の存在を全否定されたように感じるらしいです。
“伝えたら分かってくれる“は幻想だった
「話せばわかる」というのは、“お互いが同じ言語で感情を共有できる“という前提があって初めて成り立つものなんだなと、あのとき思いました。
私の「もっと協力してほしい」は、
夫には「お前は無能だ」と聞こえ、
私の「私ばかりでつらい」は、
夫には「お前の努力はゼロだ」などと翻訳されてしまうようです。
どうしてこんなに違ってしまうんでしょうか‥
結局また、私が黙って回していく日常。何を言っても逆ギレされるなら、疲れるだけだなと思ってそれ以上何かを言おうという気力は段々となくなっていきました。
夫は風呂を洗い、ゴミを出し、以外の家事はしません。ずっとスマホを見ています。
「ねえ、それって“やってる”って言えるのかな?」
っと思い、言いたい気持ちをグッとこらえました。
まとめ
■ やってる・やってないよりも、大切なのは「伝わること」
夫は「仕事してる」「ゴミ出ししてる」「風呂掃除もしてる」と言います。それは事実だし、感謝していないわけではありません。でも私が言いたかったのは、「私だけが背負っている感覚がつらい」ということでした。“やってる・やってない”という数字や項目の話ではなくて、気持ちの重さの話なんです。
だけど、その「気持ち」は夫は通じない。伝えたはずの言葉が、なぜか“責められた”とか“否定された”と受け取られてしまう。
それに対して、夫がまさかあんなに怒り出すとは思ってもいませんでした。
私が言いたかったのは、「やってない」じゃなくて、「私ばかりでしんどいよ」という、ただの本音でした。でも夫には、それが“責められている”“否定されている”ように聞こえてしまう。
そして話し合いはたちまち「感情」から「反論」へすり替えられます。
■ 話が通じないとは、言葉が届かないことではない
夫に話が通じないと感じる瞬間。それは、“言葉が伝わらない”というよりも、私の「気持ち」そのものが理解されないこと。
・疲れてると言えば、「じゃあ休めば?」
・手伝ってほしいと言えば、「やってるのに!」
・寂しいと言えば、「そんなふうに言われても困る」
私は「共感」がほしいだけなのに、彼は“論理”で答えようとします
■ 一番苦しいのは、“わかってもらえない”こと
本当につらいのは、私のやっていることの多さでもなければ、彼が完璧に分担してくれないことでもない。いちばん苦しいのは、「あなたの気持ち、わかるよ」と言ってもらえないこと。
せめて少しだけでも、寄り添ってくれたら、どれだけ救われるか。でも夫にとっては、それがとても難しいのかもしれません。悪気はない。でも、“感じ方”が根本的に違うのです。
■ 話が通じない人と、どうやって共に生きるか
夫に完璧な理解を求めるのは、もうやめたほうがいいのかもしれません。
でも、「伝えること」までやめてしまったら、私は自分を失ってしまう。だから私は、伝え方を工夫したり、タイミングを考えたりしながら、
少しでも、分かち合える瞬間をつくろうとしています。
たとえ10回のうち9回が通じなくても、1回でも「うん、そうだね」と言ってもらえたら、その1回のために、私は今日も、話してみようと思います
■ 同じように悩んでいるあなたへ
もしかしたらあなたの隣にも、「話が通じない」と感じる人がいるかもしれません。理解されない寂しさ、通じない苦しさを、毎日飲み込んでいるかもしれません。
でも、あなたの感じていることは、決してわがままじゃないし、甘えでもない。
自分を犠牲にしすぎず、どうかあなたの心も、大切にしてあげてくださいね。
本日も読んでいただき、ありがとうございました。
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